2013/11/14

いち!

人生というものには限度がある。

ある一定の人間としての機能を持っている、っていうだけで人間として扱われるのが非常に、非常に、僕は虚しく思う。心の底から、理不尽だと思う。
僕は喋れない。
正式にいえば、先天的に病名不明の声帯変形を持っている。
声が出ないのがいやだとか、孤独を感じる、等と思ったことは人生で一度もない。

だが、今日。

この瞬間、僕は孤独はいやだ、と思った。

「仕事だ。お前を殺しに来た。」

妙に癖のある日本語で、外国人の男の人が僕に銃口を向ける。銀色の光る オートマのスライドの光が目にチカチカとあたる。

「最後の言葉、何か言わなくていいのかよ?」

言葉が口から出ない。物理的に。だが、これを精神的なものだと勘違いした男の人は呆れた表情でトリガーの指に力を入れた。

「つまんねーな」

僕は咄嗟に叫んだ。

「ーーーーーーーーーー~~~~~!!!!!!!」